ドバイ万博 | Terraディレクターのジョン・ブル氏インタビュー②

こんにちは。

今回は前回に続いて、ドバイ万博 | Terraディレクターのジョン・ブル氏インタビュー②になります。記事を一部抜粋し、翻訳しています。

前回の記事はこちら

サステナビリティ・パビリオンでの没入体験

テラ(Terra)は、訪問者が自然と強く結び付けられるよう設計されています。

そのことに関して、ブル氏は以下のように話しています。

「私たちは訪問した人々を日常から切り離し、新しい世界を感じてもらうために「没入体験」ができるように工夫しました。劇のように、テラという舞台を通じて、自分自身が主人公であると感じてもらえればと思います。」

自然を感じて

テラを訪れて、人々が最初に目にするのは、自然の美しさです。

素晴らしい物語や、おとぎ話は、美しい王国からスタートします。自然というのは誰にとっても美しいと感じるものだと思い、(本来はそこにないけど)リアルな自然環境を作りました。

訪問者は地下に進むと「Wood Wide Web(菌糸ネットワーク)」として知られるものを発見します。これは、植物がお互いに栄養を送りあったり、危険を教え合うと言ったコミュニティーをどのように形成しているかについて伝えています

この自然の大きな営みを知ることで、私たちとは全く違うと思っていた「自然」あるいは「植物」が、実際には私たちととてもよく似ているということを伝えています。

この空間を出る時に「私が木とこんなにも多くの共通点があるなんて思わなかった!」と感じてもらえていたら嬉しいです。

脅威にさらされている自然

物語の次に進むと、おとぎ話のトーンではありますが、雲行きが怪しくなります。

訪問者たちは、現在自然、あるいは地球が直面している脅威は私たちが与えてしまっていることに気が付くことになります。

この自然の空間を抜けると、人々は自分が巨大な工場にいることに気付き、そこではスナック菓子の巨大な商品パッケージが世界中に出荷される準備が進められているのです。そしてそこには、Gnasher(ナッシャー)という天然資源を消費して無限に変換し続ける機械が設置されています。

この空間で人々が、私たちが今所有しているものは全て最初は天然資源だったのだと、ナッシャーのように変換する選択をしたのは私たちなのだと、気付いて欲しいと思っています。

この木をテーブルに変えようー
この鉱物を携帯電話に変えようー
これはプラスチックのヒゲに変えようー

賢い選択とバカげた選択、どちらもありますが、周りは薄暗く、ブラックユーモアのきいた空間になっています。

ユーモアを交えながら

このサステナビリティ・パビリオン全体にとって、ユーモアというものを大切にしています。最初にもお伝えした通り、説教じみたものしない工夫の一つです。

明るい未来に向かって

その後、人々は物語の終盤へと進んでいきます。

ここではより良い選択をして、明るい未来にするためにはどうすれば良いかを考えます。

私たちは訪問してくださった人々に本気で変わって欲しいと願い、そのために可能なことは全てしたいと思っています。

ナッジ理論を応用して人々に行動を起こしてもらうためにはどうすれば良いかを考え、私たちはテラを設計するにあたり、環境心理学社と協力して建築を進めました。

否定的であったり、説教くさくならないように注意しながら、でも変化する必要があることが分かりやすく伝わるように、そして私たちは実際に何ができて、どう行動すれば良いのかが、人々に伝わるような設計になっています。

ドバイ万博の終了後

6ヶ月にわたるドバイ万博が終了しても、テラはその後も変化し続けます。展示するものや建物に若干の変更を加えたのち、ドバイの科学博物館として再オープンする予定です。

私たちはこれからも持続可能な社会実現のために、人々に新しいアイディアを生み出すきっけとなるために、発信し続けたいと思っています。

建設中も、建設が終わっても、ドバイ万博が終了しても価値あるものとして存続するーこれ自体が持続可能性を体現しています。

テラ(Terra)の持続可能なデザイン

このテラと言う建物は、あらゆる面で持続可能という側面で考慮されており、建物が持つ事ができる最高レベルの環境認証であるLEEDというプラチナ認証を取得しています。

最も印象的なのは、建物の上部にある天蓋(てんがい)です。幅130メートルで、太陽光パネルで覆われており、夏の豊富な太陽のエネルギーを捉えています。

そして周辺には18本のエネルギーツリーがあり、こちらもソーラーパネルで覆われています。上の部分は向日葵のように太陽を追跡し、また両面で取り込めるので、直射日光と地面からの反射太陽光も取り込んでエネルギーに変える優れものです。

そして「水の木」という空気中の湿気を吸収して、水を作り出す技術の展示も行っています。私たちはドバイの環境でも機能することを示しています。つまり、もっと湿気の多い環境で行った時のことを想像してみて欲しいと思います。

テクノロジーで解決する

サステナビリティ・パビリオンのほとんどは地下にあるので、必要なエアコンの消費量は少なくて済みます。

また、植栽するにあたり、これまで必要であった水を75%削減できるように設計しました。私たちは革新的なテクノロジーで、可能であることを証明します。もちろん、雑草と呼ばれるようなものではなく、乾燥した環境に適しており、アラビア半島の美しい植物と言われるようなものを選択して植栽しています。

そしてブル氏は最後にこう述べています。

「持続可能性」という視点はテラ(Terra)だけではなくドバイ万博全体に浸透しています。運営方法はもちろん、ギフトショップで販売されているもの、レストランで販売される食品にも反映されています。このように私たちは限界を押し広げていきます。完成するのがとても楽しみです。


いかがでしたでしょうか?
書きながら私自身とてもワクワクしました!
テラ(Terra)に行かれる際は是非、設計者の想いを感じながら物語の主人公になって頂ければと思います。

 

<参考>

Inside Terra, the Sustainability Pavilion at Expo 2020 Dubai

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ドバイ万博 | Terraディレクターのジョン・ブル氏インタビュー②

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